もっと注目されても良い「最高出塁率」というタイトル

野球を楽しむなら、色々なデータに注目してみよう。
そして、そのデータから考えられる優秀な選手を見てみようといったお話。

データを統計的に分析し、選手の評価をする「セイバーメトリクス」と言うものも、近年ではよく使われるようにはなっています。
ですが、今回はセイバーメトリクスのような少し取っつきにくいものではなく、毎シーズン表彰もされている記録の中で、個人的に過小評価されている(あまり注目を集めていない)と考えている記録について取り上げてみましょう。

今回取り上げたい記録は、「出塁率」についてです。

出塁率とは

出塁率とは簡単に言ってしまうと、1度の打撃機会あたりどれけ出塁することを期待できるかを表した数値になります。
打率と同じく、高ければ高いほど良い数値となります。
計算方式は、こんな感じ。
出塁率=(安打+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠飛)

打率の計算式が、以下のようになっているので、出塁率の方が少し複雑ですね。
打率=安打数÷打数

打率と比べて、大きく異なる点は、安打に加えて、四球や死球も計算の対象に含めているところですね。
また、犠飛も分母に含まれています。
一方で犠打は含まれないので、この点には注意しましょう。

「最高出塁率」と言うタイトルで、シーズンで一番数値の高かった選手には、首位打者と同じように表彰されます。
2017年シーズンは、セリーグはカープの田中選手、パリーグは柳田選手が獲得しています。

出塁率の取り上げられ方

打者のタイトルには、以下のようなものがあります。

  • 首位打者
  • 最多本塁打
  • 最多打点
  • 最多安打
  • 最多盗塁
  • 最高出塁率
  • そして、あくまでも個人的な感覚ですが、マスコミ等の取り上げ方をみても、上から順番に評価されることが多いです。
    あるいは、上3つはほぼ同じレベルで、その下に続く形で最多安打、最多盗塁、そして最高出塁率と言ったイメージです。
    また、一般的に3冠王と言った場合には、「首位打者」「最多本塁打」「最多打点」の3つを対象にしていることが多いです。

    こう言った話からも、少なくとも首位打者(打率)と比べると、圧倒的に注目度が低く、評価も低くなりがちな記録になります。

    打率と出塁率

    「打率が高ければ優秀な選手なんでしょ?」
    このことに関しては、間違いありません。
    打率が高ければ高いほど優秀な選手です。

    一方で、打率はあまり高くないけれど、出塁率が高い選手もいます。
    そしてその選手も同様に優秀な選手としてもっと評価されるべきです。

    「打率が低い=ヒットが少ないのに出塁率が高いってどう言うこと?」

    ここで確認し直したいのが、先に紹介した出塁率の計算方法です。
    打率が安打を打数で割って求めていたのに対して、出塁率は四死球を含んでいますね。
    (加えて、分母には犠飛も含みます)

    つまり、ヒットの数がそれほど多くなくとも、四死球が多い選手というのは出塁率が高くなります。
    そこが打率と差が出るところです。

    では、どう言った選手がそう言った傾向にあるかといえば、いわゆる選球眼がいいとされる選手ですね。
    ストライクとボールの見極めに優れているため、四球での出塁が増えます。
    あるいは、長打力のある選手も、相手投手が失投で本塁打を恐れて厳しいコースを攻めることが多くなり、結果的に四球が多くなる傾向にあります。

    なぜもっと注目されるべきなのか

    出塁率という数値は、どれだけ出塁を期待できるかを表している数値です。
    そして、「出塁する」ということに注目した場合、それがヒットでの出塁なのか、四球での出塁なのかは、さほど大きく異なるものではありません。
    特にこのことは、出塁することが大事な1番打者には強く求められる要素です。

    例えば、打率.300あるけど、出塁率が.350の選手がいるとします。
    一方で、打率は.280だけど、出塁率が.380ある選手がいたとしたら、どちらが優秀な選手と言えるでしょうか。
    1番打者として出塁してクリーンナップに回すことを考えると、後者の選手の方を起用してみたい気もしませんか?

    「打率は高くないけど出塁率が高い選手」という選手としては、先ほど名前を出した、昨年最高出塁率のタイトルを獲得したカープの田中選手が該当しますね。
    最高出塁率のタイトルを獲得した昨年も、打率では3割に達していません。

    しかし実際にカープでは田中選手は先頭打者として、強力なクリーンナップの前に出塁する重要な役割を果たしています。
    今シーズンも7/26日時点では打率はリーグ24位の.259ですが、出塁率はリーグ13位の.377を記録しています。
    そして四球の数もバレンティン選手に並ぶリーグ3位の記録です。
    これだけの出塁率があるので、後続の丸選手、鈴木選手らクリーンナップの得点シーンも増えているのですね。

    こうしてみてみると、打率だけでなく、もっと出塁率にも注目すべきなのではないかということがみえてきますね。

    まとめ

    今回取り上げた田中選手に関していえば、チーム自体が強く、近年人気も集めているだけに評価はある程度されているとは思いますが、もっと評価の高くていい選手ではないかなと思っています。
    もし田中選手が下位に沈むチームの先頭打者であれば、その打率から批判を浴びてしまうこともあるのではないかと思いますね。
    特に野球を見始めたばかりの人にとっては、あまり取り上げられることの多くない出塁率より、打率の方で判断してしまいがちですからね。

    野球を見る上では、これ以外にも普段あまり取り上げられることのない記録が多くあります。
    色々なデータから選手あるいはチームを見ていくというのは、野球を楽しむ一つの要素かなと思います。
    気になった人は、ぜひ他のデータも調べて見ると、
    「思ったよりあの選手は優秀なのでは?」
    といった発見が増えるかもしれないですね。

    色々な角度から野球を楽しみましょう。

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