夏が始まって、気づいたら終わっていて。

花火大会に夏祭り、街中に溢れる浴衣姿の人たち。
海は水着姿の人で埋めつくされ、
テレビを観れば高校野球の甲子園大会。

暑くて気怠い気分にさせる一方で、
1年の中でも1番特別な季節、夏。

続く雨の日が終わり、始まる夏。

「今年こそは何か夏らしいことを」
「特別な夏に」

少年の頃だったら、カブトムシを捕まえたり、川で遊んだり、
一日中、時間も忘れて遊びまわるんだ。

無計画さのせいで、1学期の最終日に大量の荷物を背負って、
暑い中を家路に向かう。
暑さと重さを背中に感じながらも、
これから始まる夏に期待を寄せていた小学生の頃。

少し年を重ねると、遊びまわっていた夏休みから、
部活中心の夏休みに変わっていき、
毎日大量の汗をかきながらヘトヘトになって、
それでも好きなことに熱中できる楽しさはやっぱりあって、
それが中学生高校生の頃。

大学時代は飛ばして、働き出して数年。
変わらず少しの期待を持って夏を迎えるんだけど、
昔のように1ヶ月もの休みなんてものは存在しなくて、
それでも仕事の合間を縫うように夏らしいことに目を向ける。

世間がお盆休みで賑わう頃が夏のピークで、
それを過ぎると、暑さが続いても、夏らしさは少しずつ終わりに向かっていって。
学生たちは後回しにして溜め込んだ宿題に追われ、
現実に戻った社会人たちは、元の日常に戻って、
ただの暑さだけが押し寄せて来る。

9月に入れば暑さは邪魔な存在でしかなくて、
残暑がいつまで続くか、ニュースを見たり、
天気予報を追いかけたりする。

そのうちに今度は天気が崩れ、雨の日が増える。
続く雨が上がって夏が始まったように、
今度は夏の終わりを告げられる。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする